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tha-garlさん
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tha-garlさんの日記
Quest for Xanadu 3-6 (終)
2009年1月28日 (水)


Bewitching Moonlight in Deeply Midnight #6

彼女と同じように砂漠の近親者となる。

そう思ったその時、俺の目の前を何かが

通り抜けていった。正面を見ると爆発音が

して、「ディアデビル」は火の海に

飲まれた。あれは薬莢の中に複数の

爆薬が含まれている「拡散弾」だ。

こんな物を使うのはハンターしかいない。

後ろを振り向くと、砂漠の船の甲板から

弾の射出機「ボウガン」を構えた

クルーがいた。彼らは休むことなく、

「ディアデビル」に強力な「拡散弾」を

撃つ。その隙に俺は振り向くことなく、

その船に走り出した。命を脅かされる

心配が無くなったからだ。船から手が

伸びて船の手すりに足をかけると、

船は間もなく走り出した。

「これはこれは。災難でしたねぇ」

手を差し伸べた男が言う。命を張った

という緊張がまだほぐれずにいたが、

その男はあごと鼻の下にヒゲを蓄え、

右目に眼帯をした男はなんとも間延び

した喋り方をして、妙なギャップを

覚えるのだった。その男が手を差し

伸べると、俺を甲板に引き上げて

くれた。甲板には「ボウガン」を

構える二人と、舵を取る者が一人いた。

「この時期のディアデビルは産卵期を

迎えていて、非常に気性が荒いです

からねぇ。それから生きて帰れる

だなんて、あなたもそうとう悪運が

強いようで」

そりゃどうも、と苦笑いをしてその

男に答えた。

「おやおや、ムキになって追いかけて

きますねぇ。彼女の怒りを買って

しまったのでしょうか」

男は船尾から拡散弾を撃つ二人の

ハンターに言った。

「この風なら追いつかれる事はあり

ませんが、弾薬調合も含めて、間を

空けないように撃ってください」

船にいるクルーはリーダーと思しき、

です、ます、ねぇ調のその男。歳は

最年長で年齢は四、五十代位だろう。

その周りにいるのは俺よりも年上の

青年たち三人。彼らはハンターズギルド

直属のギルドナイトの出で立ちだが、

リーダーだけは「フルフル」素材の

ような黒いコートを上から羽織っている。

「了解」

ガンナーの二人が切れの良い返事をする。

「さて・・・。あなたは砂漠のど真ん中、

しかも夜に何をしていたんですか?

依頼書の控えを見せてください」

砂漠の黒い嵐が迫っている状況にも

拘らず、この男はなんと肝の据わって

いることか。はたまた状況を飲み込めて

いないだけなのか。俺は話を逸らそうと

追いかけてくる「ディアデビル」の

話をするが、心配要らないと言われて

しまった。

「ほら、あのように」

「拡散弾」の攻撃により、奴は地中へと

潜っていった。それから何の攻撃も

無かったので、彼らは見事に奴を

撃退したのだった。唖然と見ている

俺に対し、男は腕組みをし鼻息を

荒くした。

「どうなんですか?」

ギルド本部に通報されて、後々面倒な

事になっても困るので、ここは素直に

持って居らず、仲間と一緒にでここまで

来たと告げた。

「それはいけませんねぇ。下手をすれば、

あなたは密猟未遂で本部にしょっ引かれても

おかしくない状況なんですよ、

と言いたいところですが・・・」

男は肩をすくめて、半笑いでこう

言った。

「我々の目的とは違うし、事後処理が

面倒なので、今回は不問します。

まぁ、過去に黒ディアブロスの密猟を

単独でやった人がいるから、ちょっと

気にはなったんですがね。ただあなたが

一方的にやられていた状況でしたから、

密猟とは言えないでしょう」

周りのギルドナイトが笑い出した。

エリートぶった雰囲気が一線画した

感じで腹立たしかったが、助けて

もらった事に変わりは無かった。

「すいません、冗談ですよ。気を

悪くしないで下さい」

と、男も半笑いでそう言うのだった。

「まぁ、ジオ・ワンドレオに着い

たら、お互い他人になりましょう。

だから、我々もあなたの事に深入りは

しないし、逆も然りです。ただね、

個人的にあなたに聞きたいんですよ。

あそこで何をしていたかを。

お仲間がお亡くなりになったとか」

俺は彼らに「ザナドゥ」の一部始終を

話した。そこには遺跡があり、

地下探索をしたが、巨大な蛇に

襲われ仲間が殺されてしまい、

俺だけ遺跡を脱出した、と。だが

「キングサボテン」の話はしなかった。

俺が持っている「キングサボテンの花の実」を

没収されたくなかったからだ。

「その相方さんは、コンパスを持っては

いませんでしたか?」

確かに時々、ラクダに乗っていた時も

何度か確認していた。もちろん俺は

方角を見ているものかと思っていた。

「それは秘境へのコンパスという、

持つ者を特定の地域へ誘う道具です。

特定の磁場を感知して反応するコンパス

なのですが、彼女はどのようにして

そのコンパスを手に入れたのでしょうね。

判りかねますが・・・」

あの有名なトレジャーハンター、

I・ショーンズ博士の家系の者だと

言った。

「いや、彼はショーンズ家では一番の

変わり者で、宝探しをしていたのは

I・ショーンズだけです。他は代々、

自国の家臣を務めているようなお堅い

一族ですよ」

そうだった。彼女自身、自分の気持ち

以外は嘘偽りだと言っていた。

「まぁとにかく。あそこはパワー

スポットと呼ばれる特殊な磁場で

守られている場所で、向こう側から

招かれない限り、常人では行き着く

ことが出来ないのです」

それで俺が後ろを振り向いた時に、

「ザナドゥ」が消えてしまった

という訳だったのか。

「パワースポットと呼ばれるだけ

あって、なんでも竜を意のままに

操る技術も確立していたとか、

いないとか。でもね、記録には

こうあります。キングサボテンが

栽培できるほどの特殊な環境下

だったのが災いして、その実から

生成できる麻薬で、国は滅びた

んです。病気の人もたちまち

歩き回る、って言い伝えられて

いますが、あれって麻薬で気分だけ

高揚した人たちが増えすぎて、

内乱が起こったようなんです。

薬を巡って人々が殺しあうのですよ。

それで国ごと全滅。温室育ちって

言うのも、些か問題があるよう

ですねぇ」

その麻薬がこのポーチの中に

あるとは、口が裂けてもいえなかった。

「それに、フィールドの中である

ことによって、花粉がいたずらに

外に出る事もなかったんです。

ご存知でした?その花粉が

モンスターたちの・・・、特に

セクメーアの女神さんと呼ばれて

いるディアデビルを興奮させて

しまう作用があることを」

実を生成して麻薬ができるのならば、

そういうのに敏感なモンスターたちは

麻薬成分が少ない花粉でも過剰に

反応してしまうという事なのか。

もしかしたら俺の衣服に付いていた

花粉に反応して、「ディアデビル」が

現れたのかもしれない。だから

「キングサボテン」の麻酔薬が

滅多にお目にかかれない薬と

呼ばれるのも頷ける。出発前、

女神の加護の話も、あながち

嘘ではなかったのかもしれない。

「おやおや、眠そうですね」

リーダーの話を聞いていると、

この人の話は長く、うとうとと

眠気が襲ってくる。

「九死に一生を得たわけですから、

緊張の糸が切れたのでしょう」

なんて前向きな人なんだ。

「日の出にはワンドレオに着きます。

それまでおやすみ」
俺はリーダーから毛布をかけて

もらい、その場で泥のように眠った。


次に目を覚ましたのは、「ジオ・ワンドレオ」の

街の出口だった。ギルドナイトたちに

置き去りにされたらしい。街の自警団の

リーダーに叩き起こされた。結局、

あのギルドナイトたちは何しに

砂漠に来たのかは結局分からず

じまい。俺はその足で宿に戻り、

しばしの安息を求め、再び寝に入った。

それから俺は事後処理に追われる

事となった。オリビアの捜索願を

ギルドに提出した。これでオリビアは

行方不明者として、大陸中のギルドに

情報が流れる。しかしこれは後日

分かった事なのだが、彼女は元々

ギルドに登録されていない人物

だったのだ。ということは、名前

すら俺に嘘だったのか。念の為、

彼女の泊まっていた宿を探そうと

思っても、何処に泊まっている

のかすら、分からない状況だ。

姿の消し方も只ならぬ物を感じた。

そんなオリビアからもらった最初で

最後のプレゼント。「ザナドゥ」の

合鍵をどこかでなくしてしまった

らしい。ポケットに入れていたので

ギルドナイトたちに取り上げられた

可能性は低く、一番動きまわった

事を考えればやはり「ディアデビル」と

の戦いの時に落としたのだろうか。

今更探す気になどなれず、唯一残った

土器の首飾り。俺はこいつを、

オリビアの形見として今でも首から

下げている。


そして温暖期の眠れぬ夜・・・


「そっか。オリビアさんって、

初恋の人だったんだよね・・・。

その後あなたはどうしたの?」

一度「ドンドルマ」へ戻って、

「調合の神」に内緒で鎮痛剤を

調合してもらったんだ。後は

知っての通り、故郷「ルプス村」に

帰って母さんに投与したけど、

手遅れだったって話。

「そうだったよね・・・」

俺は何も出来なかったけど、その

過程で大きくなれたんだ。だから

後悔はしていないし、母さんも

それを望んでいたからこそ、旅立つと

決めた時、背中を押してくれたんだと

思う。

「いいお母さんを持ったね」

今でも自慢の母親だよ。


・・・ああ、もう夜が明ける。


あとがき

小説「Quest for Xanadu」は

「Monster Hunter」の

二次作品ではありますが、製作者側の設定に

著者独自の創作脚色があり、一部モンスターや

アイテム等はゲーム中に登場しません。

SPECIAL THANKS

飛橘さん   (穂の歌猟団)
オンカイさん (穂の歌猟団)
MASAさん   (穂の歌猟団)
Seliceさん  (穂の歌猟団)


星々を駆ける小さな君


・・・そして、ご愛読頂いたあなた。

ご協力、ご愛読ありがとうございました。




































~EPILOGUE & PROLOGUE~

眠れない温暖期の夜より、遡ること半年前。

穂の歌猟団の猟団部屋にて。

「ノーチェス団長、私書箱にうちへの

入団届け入っていましたのでお持ちしました」

エメラルドグリーンの長い髪をなびかせて、

猟団執務室に現れたのは秘書を兼務する

弓師のセリスだった。

「セリスさん、いつも悪いですねぇ」

「いえいえ。私に出来る事でしたら、

何でも仰ってください。それでは、

失礼します」

にこっと微笑んだセリスが一礼し去ると、

ノーチェスは入団届けを開封し、書類に

目を通す。猟団拡大の為、大抵の

入団希望者には入団の決裁をするのだが、

一瞬それをはばかった。

「オリビア・ニューマン・ジョンソン

だと・・・」

そして同封されていた一通の手紙が落ち、

それを拾い上げて目を通すと、こんな

内容が書かれていた。


「訳あって貴団に入団させてもらいたい。

入団の是非を問う。」

と、その時だった。執務室のドアが開き、

見覚えのある出で立ちの女が現れた。

「久しぶりだな、ノーチェス。ずいぶんと

立派になったものだ」

「オリビア・・・」

彼の心中は複雑な思いが交錯していた。

彼女に殺されかけた憎しみや、一年振りに

再会出来た嬉しさ。しかし、あの死地で

何故生きているのか。

「あの時、死んだんじゃなかったのか」

遺跡を守る巨大な蛇とオリビアが対峙して

いた光景が、瓦礫の隙間からのぞくしか

なかったノーチェスの脳裏で色濃く甦る。

「私のノーブルフレグランスで寝かし

つけた後、地下水脈に飛び込んだのだ。

幸い、遺跡の外れの井戸に出る事ができてな」

「でも、砂漠からは出られないはずじゃ?」

「それも君が残してくれた荷物運搬用の

ラクダが居たから、砂漠を脱出する事が

出来た」

黒いディアブロスに襲われた時、かろう

じて一頭のラクダは難を逃れていたよう

だった。そしてノーチェスはあの時、

ヒゲ眼帯の男に言われた言葉を思い

出していた。

「そうとう悪運が強いようだな」
精一杯の反撃も、彼女の前では意味も

無く、弾き返されてしまった。堪らず

ノーチェスは口を開いた。

「俺を殺しに来たのか?」

「いいや、それはない。だが、誰しも

目的に向かって行動を開始するもの

だろう。私も目的があって猟団に

所属したいのだ」

頑として胸を張り、微動だにしない

オリビア。ノーチェスは間を置き、

息を吐いた。自我を押さえ込み、一猟団長

としての顔に戻る。

「目的を教えてもらえませんか?」

「それは出来かねる」

ノーチェスは深いため息を吐いて、

立ち上がった。

「ならば、あなたの入団は認めません」

しかし、オリビアは眉一つ動かさず、

起立の姿勢を保っている。

「と、言いたいところですがね。生憎俺も

創始者の飛橘(ふぇいじゅ)さんから

お預かりしている猟団なので、あなたを

拒む理由はありません。あなたの入団を

許可します。今日からオリビアさんも

我々の仲間です」

ノーチェスは机の中から数枚の書類を

取り出し、彼女に渡した。

「本当は入団手続きが終わってから

お渡しする、猟団内における規律や

生活態度をしたためた書類なのですが、

先に渡しておきます。それでは、

良き猟団生活を送ってください」

ノーチェスは不機嫌そうに定型句を

吐き出すと、再び椅子に座って未処理の

書類を整理し始めた。

「ノーチェス、感謝する」

そう言って、オリビアは執務室を後にした。


to be continued・・・

Copyright (C) 2008 Quest for Xanadu All Rights Reserved.
(更新 2009年4月11日 (土) 19時56分) / 2 コメント


コメント

2009年1月29日 (木) 21時22分
masa03

おおぉ おつかれさまぁ でしたぁ

とってもぉ いいはなしだぁ MHFやりたくなったぁ

ですねぇ^^。

最後の部分いいですぅ。

感動を得れましたぁ。

ほんとににぃ おつかれさまでしたぁ。

次回作もぉ 期待しておりますですよぉ


2009年1月30日 (金) 00時59分
tha-garl

毎度ありがとうございます。
続編は鋭意執筆中・・・と言いたいところですが、
今はちょーっとそれどころじゃない状況・・・^^;

でも、暖かくなる頃にはご紹介したいところです。

Quest for Xanaduご愛読ありがとうございました!



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